新日本プロレスは12日、IWGPインターコンチネンタル王者の中邑真輔(35)が1月いっぱいで退団すると発表した。今後は米プロレス団体のWWE入りが有力視されている。エース棚橋、IWGPヘビー級王者オカダらと、団体の隆盛を支える中心選手の離脱は新日本にとって大打撃となりそうだ。

 プロレス人気が復活し、その中心にいる新日本を激震が見舞った。現役のIWGPインターコンチネンタル王者で、4日の東京ドーム大会で防衛を果たしたばかりの中邑が退団する。新日本はこの日の夕方、ホームページに中邑退団のニュースをアップした。

 新日本は、毎年契約更改を1月31日までに行うが、中邑は同日をもって契約を解除し、退団が決まった。かねて海外志向が強く、35歳という年齢から最後の挑戦にWWEを選んだようだ。米国での人気も棚橋やオカダをしのぐほどで、新日本もその意思を尊重し、契約解除を認めたとみられる。

 中邑は02年に新日本に入団。青学大時代に総合格闘技のトレーニングを行っていたことから、新日本の総合格闘技路線の申し子として期待された。また、観客の度肝を抜くファッションセンスと、体をくねらせる動きでファンを獲得。一時の低迷からの復興期を、エース棚橋とともに支えてきた。

 新日本からは中邑の盟友カール・アンダーソンやドク・ギャローズ、さらに4日の東京ドーム大会で中邑と戦ったAJスタイルズのWWE入りもうわさされている。棚橋、オカダ、真壁と新日本の人気四天王と言われる中邑の離脱に加え、外国人中心選手の大量離脱は新日本にとっては大きな痛手となる。

 中邑は25日に、退団決定後初の記者会見を行う予定。新日本は中邑の壮行試合として、最後の試合となる30日の後楽園大会で中邑、オカダ、石井組対棚橋、後藤、柴田組の6人タッグマッチを行う。中邑の保持するIWGPインターコンチネンタル王座は返上となり、2月14日の新潟・長岡大会で、X対ケニー・オメガの新王者決定戦が行われる。

 ◆中邑真輔(なかむら・しんすけ)1980年(昭55)2月24日生まれ、京都府京丹後市出身。青学大レスリング部から02年に新日本入団。同年8月の安田戦でデビュー。03年12月に天山を破りデビューから最速、史上最年少でIWGPヘビー級王者となる。IWGPインターコンチネンタル王座は5度戴冠。プロレス大賞のベストバウトを2度受賞。得意技は顔面へのひざ蹴り「ボマイェ」。188センチ、103キロ。