東洋太平洋スーパーバンタム級1位大竹秀典(35=金子)が、同級2位ジェルビルト・ゴメラ(フィリピン)を3-0の判定で下し、4度防衛した日本タイトル以来のベルトを巻いた。

 小柄なファイタータイプのサウスポーに対し、序盤からいきなりの右ストレートから入る作戦が奏功。ダメージを蓄積させ、3回にはその右ストレートでキャンバスにはわせて早期決着かと思われたが、アクシデントは5回に。右脇腹を痛めると、「相手が自分の右ストレートに右ボディーを合わせてきているのが分かった」と警戒した結果、ストレートを控えざるを得なかった。以降はフック、アッパーを軸に接近戦で仕留めに懸かったが、「苦戦してはいけんかった」と判定までもつれ込んでしまった。

 14年11月にはWBA世界同級王者スコット・クイッグ(英国)に敵地英国で挑戦し、0ー3の判定で敗れた。再起を目指してノンタイトル戦5試合を全勝して望んだタイトル戦。「スカッといきたかった」とKO勝ちを逃したが、これで同級での世界ランク入りに前進、再び世界挑戦を狙う足がかりにはなった。

 福島県郡山出身で、同郷にはラグビー日本代表で歴代最多98キャップのロック大野均がいる。その風貌とファイトスタイルから「リングの仕事人」と呼ばれる35歳のベテランは、さらに3歳上のラガーマンの存在に「僕もまだまだ頑張らないといけないですね」と上を見る。競技は違えど、大きな刺激を受けながら、世界の頂きを目指す。