3階級制覇の王者ホルヘ・リナレス(31=帝拳)が前王者アンソニー・クロラ(30=英国)との再戦を3-0(118-109、118-109、118-109)の判定で快勝して、初防衛に成功した。

 「今回はすごいプレッシャーがあった。いま、最高の瞬間です。前回の3倍頑張ってきた。クロラは本当に強い選手です」と勝利の凱歌(がいか)を揚げた。両者は昨年9月24日に同会場で対戦し、リナレスが勝利してタイトル奪取に成功していた。

 初戦とは異なり、足を使うステップを踏んできたクロラだったが、リナレスは動じず。上下に打ち分ける突き刺すようなジャブでペースをつかむと、効果的にコンパクトで強いアッパーを打ち込んで消耗させていく。出色の一撃だったのは、ダウンを奪った7回の左アッパー。アゴに拳を突き上げて頭を縦に揺らすと、クロラは前のめりに倒れ込んだ。直後の8回こそ反撃を許したが、9回以降は再びペースを握り、盤石の出来で勝ちきった。