東洋太平洋スーパーフライ級王者で日本バンタム級4位松本亮(23=大橋)が「瞬殺KO」で魅了した。

 同10位坂本英生(31=フジタ)に対峙(たいじ)し、「相手の左ガードが下がっていた」と隙を見逃さずに得意の右ストレートをぶち込むと、一気に攻勢に。左フックで1度目、2度目はロープに詰めての右ストレートで顔面を打ち抜いてダウン。審判が試合を止めたのは1回1分57秒、見事なTKO勝ちで会場を沸騰させた。

 「入院中はずっと悔しい思いをしていた。すぐに練習を再開して、必ず世界を取ります」とリング上で勝利のあいさつ。この試合が昨年9月に受けた副甲状腺機能亢進(こうしん)症の手術明け2試合目だった。以前から練習で追い込むと吐き気などに襲われることが多々あった。17連勝の勢いがストップした昨年5月の敗戦後に手術を決断していた。

 ホルモンの分泌が正常になり、身長も2センチ伸びて175センチになった。さらに今回は栄養士もつけて、減量を管理してもらった。食生活のバランス改善を徹底し、「それが良かった」と効果も実感した。力強さを増した肉体に、大橋会長も「パワーが増している。今後が楽しみですね」と目を細めた。

 高校4冠、11年12月のプロデビューから17戦全勝(15KO)で駆け上ったホープ。病の不安が消え去り、再び世界の頂点を目指すには、十分に自信になる快勝劇だった。「年末にチャンスがあれば」と見据えた大橋会長の横で「1試合1試合、期待に応えればチャンスが来る。頑張ります!」と誓った。