ボクシングで世界初挑戦するWBA世界スーパーフライ級10位村中優(31=フラッシュ赤羽)に、心強い応援団が駆けつける。5月13日に英バーミンガムで、同級王者カリド・ヤファイ(27)への挑戦を控え、26日に都内のジムで公開練習。「現地に来てくれる90歳の恩師にベルトを巻かせたい」と決意を口にした。

 村中は中学3年時に、地元紙に載った教室に応募してボクシングを始めた。指導者が京田薩夫さん。53年から故郷鹿児島の高校教師として普及に努め、79年に世界挑戦した用階政弘、76年モントリオール五輪代表の内山昇らを育てた。

 村中は最後の1人になっても教室に通った。高校はすぐに中退したが「アマでやれ」と言われ、通信制高校に入って県3位になった。18歳なると「プロでやれ」とジムを紹介してもらった。「毎試合応援に来てくれ、今回は毎日電話が来る」という。

 約1万5000人収容の会場で、日本からの応援は家族ら20人程度。村中は旅行すら海外は初めて。圧倒的な敵地だが、かけがえのない恩師のためにも負けられない。