ゴールデンウイークの前半と終盤、世界中が注目するスター選手同士の対決が英国と米国で行われる。29日(日本時間30日)にロンドンで行われるアンソニー・ジョシュア(27=英国 18戦全KO勝ち)対ウラディミール・クリチコ(41=ウクライナ 68戦64勝53KO4敗)のWBA、IBF世界ヘビー級タイトルマッチは年齢差14歳の新旧王者対決で、3カ月前に9万枚のチケットが完売になったほどだ。この世界が注目するビッグマッチについて、芸能界きってのボクシングファンの上田晋也(くりぃむしちゅー)が勝敗の行方を占った。

 -まずは4月30日に行われるジョシュア対クリチコですが、これは典型的な新旧対決ですね

 上田 一昨年、タイソン・フューリー(英国)がクリチコに勝ったけれど、僕のなかではたまたまという感が強く、時代が変わった、あるいは世代交代という印象がないんです。でも今回、ジョシュアが勝つと「ヘビー級新時代」を確固たるものにできると思うし、本当の世代交代になるんじゃないですかね。その先、WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(米国、38戦全勝37KO)との対戦も考えられるわけで、そうなるとマイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、リディック・ボウ(いずれも米国)、レノックス・ルイス(英国)、ドノバン・ラドック(カナダ)らがいた80年代後半から90年代のような群雄割拠の時代に入るような気がします。そう予言したいんですが、ただ、僕の予想は商店街の福引よりも当たらないんですよ(笑)。

 -当日、ウェンブリー・スタジアムは9万人の大観衆で埋まりそうです

 上田 僕はロンドン・オリンピックのときにサッカーの取材でウェンブリー・スタジアムに行ったのですが、あそこで二人が対決するのかと思うと興奮しますね。以前、マニー・パッキャオ(フィリピン)対アントニオ・マルガリート(メキシコ)の試合をダラス(米テキサス州)のカウボーイズ・スタジアム(現AT&Tスタジアム)で見たことがありますが、みんなの視線がリングに集まるわけで、「いま、世界の中心はここなんだな」と思ったものです。テレビで見ても歴史の証人になるので、朝6時からの放送で少し早いけれど、これはぜひ見てほしいですね。

 -どんな試合を期待しますか

 上田 ジョシュアは1ラウンドから行くと思います。クリチコは様子を見るかな? できればジョシュアにはクリチコがクリンチできないくらいの距離で積極的にワンツーを打っていってほしい。ジョシュアの右ストレートが時代を手繰り寄せるか、それともクリチコの右ストレートが時代を手放さないか、そんな戦いですね。

 -予想は?

 上田 タイソンがジェームス・ダグラス(米国)に倒されて、それをヒントにして他のチャレンジャーたちが続いたように、(無敵の選手が)一度攻略されると相手が自信を持ちますからね。モノマネもそうじゃないですか。それまで誰もやらなかったビートたけしさんのモノマネを松村邦洋さんが「バカヤロー、ダンカン」ってやったらみんながやるようになった。例が全然違うけれど、ジョシュアは自信を持ってクリチコに対峙(たいじ)できるんじゃないかな。だから、ジョシュアの後半KO勝ちと予想します。これまでクリチコは長いこと頑張ってくれたけれど、ここは時代を手繰り寄せるためにもジョシュアにセンセーショナルなKOで勝ってほしいですね。

 -ワイルダーが観戦するらしいですね

 上田 そうですか。ジョシュア対ワイルダーはどんなことをしてでも見に行きたいカードですね。

 なお、「アンソニー・ジョシュア対ウラディミール・クリチコ」は4月30日(日)午前6時から、上田晋也がスペシャルゲストとして出演する「サウル・カネロ・アルバレス対フリオ・セサール・チャベス・ジュニア」は5月7日(日)午前11時から、いずれもWOWOWライブにて2週連続生中継される。