全日本の武藤敬司(45)が8年4カ月ぶりに、新日本の至宝IWGPヘビー級ベルトを懸けた戦いのリングに上る。新日本は11日、都内で会見。同王者中邑真輔(28)の次期挑戦者を武藤と発表した。両者は27日の大阪大会(大阪府立体育会館)で激突する。

 武藤は全日本チャンピオン・カーニバル(CC=5~9日、東京・後楽園ホール)開催中に新日本側からオファーを受けた。「CCに参戦した棚橋が、想像以上にレスラーとしてよかった。個人がいいのか、新日本の土壌がいいのか。それを確かめたくて受けた」。99年12月10日、くしくも同じ大阪府立体育会館での天龍源一郎(58)戦以来の同選手権試合が実現した。

 グレート・ムタを含め、武藤は過去同王座を3度獲得した。全20戦で、UWFインター対抗戦での高田延彦(46)戦、闘魂三銃士、蝶野正洋(44)故橋本真也さんとの死闘…。新日本の歴史を彩ってきた。「過去の武藤が一番の強敵。過去との戦いが大変なんだよ。だから彼(中邑)のようなエキスをエネルギーに変えたい」と未来を見据える。

 王者中邑にして「世界レベル。動きの鈍った単なるレジェンドではない」と警戒する男。武藤が新日本最強レスラーとの対決で、新たな伝説をつくる。【塩谷正人】