WBC世界スーパーバンタム級2位の西岡利晃(32=帝拳)が驚異的な視力回復で5度目の世界戦に手ごたえをつかんだ。トリプル世界戦(15日、パシフィコ横浜)の予備検診が11日、都内で行われた。西岡は04年3月の前回世界戦前と比べ、左目の視力は0・9→1・5、右目は1・0→2・0と大幅にアップした。

 顔面を打たれるボクサーの場合、視力が悪くなることはあっても、良くなることは極めて少ない。担当した向島医師も医学では説明できず「それだけ調子がいいのでしょう」と驚くばかりだった。過去4回の世界挑戦前の西岡は、減量苦などで状態は最悪だった。1階級上げた今回は万全の状態を保つ。「前回までは体調も良くなくて、視力検査を受ける気力もなかった。今回は一番下まで良く見えました」。視力だけでなく、胸囲も86・5センチ→91・0センチにアップした。32歳での肉体的進化で、悲願はまた1歩近づいた。