ハッスルの山口日昇社長が28日、都内で会見し、年内に予定していた5大会のうち、29日、11月26日、12月24日の後楽園ホール3大会、11月29日の名古屋国際会議場大会の4大会を中止することを発表した。今後は今年8月にハッスル最高顧問に就任した自動車教習所などの運営を手掛けるクォンタムジャンプジャパン株式会社の酒井正和社長を中心に、経営陣を刷新し、12月25日のハッスルマニア(東京・両国国技館)で新たなスタートを切る。

 4大会の中止は資金難が理由。山口社長は「一部の選手、業者、スタッフに金銭的にご迷惑をおかけしている。会社としては不安定な状態。選手に十分なパフォーマンスをお願いできる状態にない」と説明した。昨年5月にタレントのインリン・オブ・ジョイトイ扮(ふん)する人気キャラクター、インリン様が引退し、翌6月ごろから興行収入が減少し、赤字が続いた時期もあったという。演出面に費用を掛ける興行形態も、資金繰りを悪化させた。今年7月にはハッスルの象徴ともいえる高田総統が引退。今月10日のハッスルジハード(東京・両国国技館)で、俳優竹内力扮するキングRIKIを中心とした新たなストーリー展開を試みていた。

 現在ハッスルを運営するハッスルエンターテインメント株式会社は山口社長と常務取締役、常勤スタッフ3人の計5人体制だが、新体制は11月上旬にも酒井最高顧問から発表される予定。山口社長は「ハッスルマニアが新体制の一発目となります。ハッスルというコンテンツは継続したい。来年は今年よりも大会数を増やすような形で考えている」と話した。