<プロボクシング:WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇17日◇さいたまコミュニティアリーナ

 WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(30=ワタナベ)が、自らの拳で中量級スーパー王者への道を切り開いた。鮮やかな1発KO初防衛で、世界の強豪との防衛戦ロードが実現する可能性が高まった。次戦は9月、暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との王座統一戦が有力。勝てば11年1月にも元2階級制覇王者で同級1位ホルヘ・リナレス(帝拳)との「最強決定戦」が設定される。

 王座奪取戦と初防衛戦の連続KO勝利は、日本人世界王者では柴田国明と畑山隆則以来3人目の快挙。プロモーターで帝拳ジムの本田明彦会長は、次戦がソリスとの統一戦が有力であることを明かした上で、「強くなっている。問題ないでしょう」と勝利に太鼓判を押した。王座統一に成功すれば、リナレスとの夢対決が実現しそうだ。

 リナレスは6階級王者デラホーヤ(米国)主宰のゴールデンプロモーションと契約するなど、世界が注目する実力者。内山が勝てば世界的な知名度が一気に高まることは確実。本人も「まだ世界的には認められない。強くなっていきたい」と貪欲(どんよく)。「KOダイナマイト」の異名通りの豪快ファイトで、今後は強豪を迎え撃つ。