4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)が、防衛に成功した。WBAスーパー、IBFは初、WBC、WBOは2度目の偉業。試合後に行われた記者会見では、元世界2階級制覇のWBC世界同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)にキャリア初ダウンを1回に喫しながらも6回1分22秒、TKO勝ちしたことについて「ダメージは、さほどなかった」と冷静に振り返った。
-日本人初となる4団体統一王者としての防衛を成し遂げて
井上尚 自分の中でも激闘と言える試合ができた。1ラウンド(R)にダウンを喫したが、ダウンで勝つことができて、自分の中でいいキャリアを築けた。
-ダウンのダメージは
井上尚 ダメージは、さほどなかった感じ。パンチの軌道が読めなかった。1Rということもあり、ダウンはしたけど、全然引きずることはなかった。2ポイント、リードされているので、2Rからポイントを計算しようと冷静になれた。
-ダウンでプランを変えたのか
井上尚 ちょっと出だしは気負っていた。ダウンしてから冷静に立て直せた。ダウンあったからこその戦い方ができたかな。
-多くのファンが駆けつけた、東京ドームという舞台について
井上尚 自分にとって、東京ドームでやることにパワーをもらっていた。その分、プレッシャー、重圧もあったと今、振り返ると思う。入場してきた時に景色を見て、舞い上がってはいないけど、浮き足立ったというか、そういう感じだったかなと。振り返ればそういうシーンもあった。
-最後に一言
井上尚 今後に向けて、サム・グッドマン(IBF&WBO世界同級1位)がリングに上がってきたが、交渉を進めていきたい。次戦は9月ごろと聞いているので、また調整を重ねて、いい試合ができるように戻ってきたい。皆さん期待していてください。それと、今日、獲得したダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたい。この場を借りてプレゼントしたいと思います。
大橋会長 (手渡され、涙を流すふりをして)34年前にタイソンと東京ドームでやりたかったけど、このベルトをもらって、リカルド・ロペスに敗れて王座から陥落した後、リカルドに雪辱した気持ちです。
大橋会長は88年10月25日の防衛戦でロペスに敗れ、WBC世界ストロー級(現ミニマム級)王者ではなくなり、東京ドームで試合をする夢がかなわなかっただけに、最上級の恩師孝行となった。