西前頭2枚目の荒鷲(30=峰崎)が、初の結びで波乱を演出した。ここまで全勝だった横綱白鵬(31=宮城野)を破った。「思い切って何でもやろうと思った」と話した通り、立ち合いで左上手を求めて左に動くと、つかんだまま1回転してそのまま休まず寄り切った。

 座布団が乱舞する館内の光景に「テレビでしか見たことないので。良かったですね」。46本の懸賞金(手取り138万円)には「あんなに重いの初めて、片手じゃ持てない」と喜んだ。6日目の鶴竜戦に続き、同じモンゴル出身の横綱を撃破。自己最高位で迎えた今場所はまだ2勝目だが、その2つが金星だ。それでも、静かな口ぶりは変わらず「明日から気合入れて、集中してやりたい」とすぐに気持ちを切り替えた。