6戦全勝で3人が並んでいた三段目の優勝争いは、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

まず最初に登場したのは東63枚目の栃幸大(19=春日野)。序二段の陽翔山(20=時津風)を難なく押し出しで破り、7戦全勝とした。

残る2人は直接対決。西3枚目の朝興貴(27=高砂)が、東46枚目の塚原(18=春日野)を突き落としで下し、全勝をキープ。千秋楽の優勝決定戦へと進んだ。

今年1月の初場所でも、7戦全勝で三段目の優勝決定戦に進んだが魁勝(23=浅香山)に敗れ、優勝を逃している。「8カ月ぶりに優勝のチャンスがきましたからね。前回は、あっけなく負けたので、気合が入った相撲で優勝したい」と意気込みを口にした。3勝3敗で臨んだ7番相撲で敗れ、負け越した先場所の悔しさを胸に今場所の土俵に上がった。「春日野部屋同士でやりたい。関取衆からも見たい、と言われているので」という、塚原との同部屋優勝決定戦こそ実現しないが「次の幕下では自分の相撲を取れるようにしたい」と抱負を語った。

一方の朝興貴は、12年九州場所で序二段、16年名古屋場所では三段目で優勝した経験がある。「また三段目か…という感じです」と、幕下中位からなかなか番付を上げられない、もどかしさを感じながらも、これで来場所は1場所での幕下復帰は確実で、3枚目の番付から上位進出も望める。優勝決定戦も「とりあえずケガをしないように」と控えめながら「変化も出来ないし、自分の相撲をいつも通りに取りたい」と、突き押しの一本気な相撲で3度目の各段優勝を目指す。