<第4回AKB48選抜総選挙>◇6日◇東京・日本武道館

 次世代エースといわれてきたAKB48渡辺麻友(18)が7万2574票を獲得し、昨年の5位から順位を3つ上げ2位となった。絶対的エース前田敦子が卒業を発表した今年、CDソロデビューやドラマ初主演など、ソロでの活躍が増えた。世代交代も念頭に、より幅広い層に受け入れられることを意識して、トレードマークの髪形であるツインテールの頻度も減らした。自覚が芽生え、「センター奪取」宣言までしたまゆゆのきゃしゃな双肩は、大きな期待を背負っている。

 壇上に立った渡辺の瞳は、大きな覚悟で満ちていた。老若男女入り交じった大歓声に包まれ、「本当にありがとうございました。2位という順位をいただいていることが、信じられないです」と話し始めた。昨年の5位からの躍進に驚いた様子だったが、すぐに表情を引き締め、宣言した。「これからは、私たちのような若い世代が、新しい道を切り開いていかなければいけないと思っています」。

 過去3回の総選挙の順位は4位→5位→5位だった。総選挙の上位7人を指す「神7(セブン)」経験者の中では最年少。新曲「真夏のSounds

 good!」のミュージックビデオは、卒業を発表したエース前田敦子と渡辺がクローズアップされる構成で、期待が寄せられていた。

 「次世代エース」としてのプレッシャーが強まる中、1つの変化が表れた。今まで渡辺と言えば、「アニメ好き」「妹キャラ」のイメージが強く、子供っぽさを強調するツインテールの髪形はそんな彼女の象徴だった。だが、この1年でその頻度は明らかに減った。

 実はソロとしての舞台ではツインテールを封印している。2月発売のソロデビュー曲「シンクロときめき」のミュージックビデオでは4種類の髪形を披露しているが、ツインテールのシーンは1つもなく、音楽番組やソロイベントでも髪を後ろにまとめていた。1月スタートの初主演ドラマ、テレビ東京系「さばドル」では、多くの場面で髪を下ろし、38歳の高校教師という「妹キャラ」とは正反対の役を演じた。

 5位だった昨年のスピーチでは、表情を変えずに「順位が安定していて、すごく安心しています」とコメントするにとどまった。だが、次世代を担う責任感を持った今年は、「もし、来年もまた総選挙があるのならば、私は、1位をとりたいです。未熟者かもしれませんが、来年までには必ず、センターにふさわしい人になりたいと思います」と大胆宣言で締めくくった。

 今や国民的アイドルといわれるAKB48のセンターとなれば、より幅広い層へ受け入れられることが求められる。ツインテール封印は、「次期センター」に向けての第1章にすぎなかった。「AKB48のエース」渡辺麻友の歴史は、始まったばかりだ。【横山慧】

 ◆渡辺麻友(わたなべ・まゆ)1994年(平6)3月26日、埼玉県生まれ。06年にAKB48の2期生オーディションに落選も3期で合格。07年にチームBでデビューした。同7月の「BINGO!」で初選抜入り。総選挙は09年の第1回から4、5、5位。09年「渡り廊下走り隊」でユニットデビュー。今年は2月にソロデビューし「さばドル」でドラマ初主演。愛称「まゆゆ」。154センチ。血液型AB。