<第5回AKB48じゃんけん大会>◇17日◇日本武道館

 AKB48小嶋陽菜(26)はいつになく真剣な表情だった。「AKB48に入って9年。初めて、本気を出します!」。右手を大きく振りかぶってチョキを出したが、あえなく粉砕。膝から崩れ落ち、台の上に両腕を投げ出し、うなだれた。

 「本気、出せなかった。勝ったら、このまま卒業するんだろうなって思ってたんだけど…。だから、もうちょっと頑張ろうね。ウフフ」

 悔しさも抱えつつ、機転を利かせたコメントで、大歓声を浴びた。

 天真らんまんなキャラで、準々決勝まではマイペースを貫いたが、準決勝前に表情を変えた。「ヘラヘラしていたら、ここまで来てしまいました。でも、初めて思います。次は勝ちたいです!」。宣言通り、川本紗矢(16)を退け、決勝への覚悟を決めた。

 AKB48最年長で、イベントが行われるたびに「卒業発表する可能性が一番高いメンバー」と言われる。自身も「卒業発表はそろそろかな」と公言もするが、今年6月のAKB48選抜総選挙開票イベントで「卒業発表しようと思っていましたが、やっぱり、しませ~ん」と話すなど、ユーモアに富んだコメントでファンを沸かせ続けている。

 じゃんけん大会で優勝した後に卒業発表すれば、まさに前代未聞だったが、最後に散った。同期の高橋みなみ(23)から「神様はまだにゃんにゃん(小嶋)がAKB48にいるようにとほほ笑んでくれたんだね」と慰められると、フニャフニャの笑顔でうなずいた。