◆「おくりびと」

 納棺師を描いた「納棺夫日記」(青木新門著、文春文庫)を読んだ本木雅弘が滝田洋二郎監督に映画化を要望し、生まれた作品。モントリオール世界映画祭ではグランプリを獲得。日本アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞など10冠。日刊スポーツ映画大賞でも、監督賞、作品賞を受賞した。

 主人公の小林大悟(本木)は東京でオーケストラのチェロ奏者だったが楽団が解散になり、妻の美香(広末涼子)を連れ、故郷の山形に帰る。求人広告の好条件につられ、旅行会社だと思って「NKエージェント」という会社を訪ねると、佐々木社長(山崎努)は即決で採用。戸惑う大悟が仕事内容をたずねると、社長は「納棺」とつぶやいた。言われるがまま引き受けた大悟は、美香に仕事内容を言い出せず、内緒で納棺師の道を歩み始める。