PTI通信によると、インド西部マハラシュトラ州政府は29日、米アカデミー賞で作品賞など8部門を制した英映画「スラムドッグ$ミリオネア」に出演したスラム出身の人気子役2人にアパートをプレゼントすることを決めた。

 アザルディン・イスマイル君(10)とルビナ・アリちゃん(9)は映画出演後、一躍「スター」となったが、2人が住むムンバイ市内のスラムは違法建築だとして市当局が今月撤去。州政府は子役らに住宅の提供を約束していたが、実現が遅れ、路上生活を余儀なくされていた。オスカー受賞に貢献した2人はやっと「ご褒美」を手にする形。

 贈呈されるのは、それぞれムンバイ郊外にあるアパートで、価格は1戸40万ルピー(約80万円)。

 ロイター通信によると、ムンバイの人口約1700万人の半数以上が家を持たずにスラムや路上で生活。州政府の貧困者救援策は追いつかないのが現状で、2人への贈呈はあくまで「特例」としている。

 同映画のダニー・ボイル監督らが数日前にムンバイを訪れ、子役たちを見舞ったことも州政府の決定を後押ししたようだ。