“魂のピアニスト”と呼ばれ、1999年(平11)のデビューCD「奇蹟のカンパネラ」が大ヒットした、ピアニストのフジコ・ヘミングさん(本名ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)が4月21日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。92歳だった。2日に一般財団法人フジコ・ヘミング財団が発表した。

2003年(平15)10月にフジテレビ系で放送されたスペシャルドラマ「フジ子・ヘミングの軌跡」でフジコ・ヘミングさんを演じた菅野美穂(46)が、追悼のコメントを発表した。

「フジコ・ヘミング様の訃報に触れ、心よりお悔やみを申し上げます。フジコさんの魂のこもった、そして優しいピアノの音色を忘れません。タバコをかまえながらニコッと笑ってくださる無邪気さが目に浮かびます。ご冥福をお祈りいたします。菅野美穂」

菅野は「フジ子・ヘミングの軌跡」でドイツ在住のフジコ・ヘミングさん本人を演じるにあたり、ピアノとドイツ語の猛特訓を受け、ドイツ人スタッフに褒められるほどに上達。当時「家にピアノを入れて、練習したけど楽譜も読めなかったんです」と語ったが、2カ月間の猛特訓のおかげで上達し、番組内で流れるピアノは菅野が実際に弾いた。映画監督としても定評の高い、若松節朗監督が演出し、20.1%の高視聴率を記録した。