<第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞>

 俳優妻夫木聡(29)が「自分を捨て切って」挑んだ「悪人」で主演男優賞を受賞した。第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)が1日、決定した。李相日監督の同作はほかに作品賞、主演女優賞の3冠を獲得。石原裕次郎賞は「THE

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 海猿」が受賞した。28日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われる授賞式で、裕次郎夫人のまき子さんから賞金300万円が贈られる。

 妻夫木は新作の撮影帰りに受賞を聞き「泣きそうになりました。全身全霊尽くしたので、報われた気がしました」。原作小説に感激、自分で映画化権の存在を確かめ、主人公の祐一役をつかんだ。

 今月13日で30歳。「20代は吸収する時代。30代は別のスポンジも持ちながら、今までのスポンジからぎゅっと絞り出したい」。悪人役で吸収したスポンジから出る一滴は濃密に違いない。【小林千穂】