水谷豊(55)寺脇康文(46)主演の映画「相棒-劇場版-」(和泉聖治監督)が1日、初日を迎えた。配給する東映の興収新記録を樹立する勢い。集計方法が配給収入から興行収入に切り替わった00年以降という条件付きだが、前売り券の売り上げ状況などが過去最高の興収51・1億円を記録した「男たちの大和

 YAMATO」(05年)を超えた。同社にとって21世紀最高のヒットになりそうだ。

 どんな難事件も解決する右京(水谷)と薫(寺脇)の「相棒」コンビが、東映の歴史を塗り替える勢いで“出動”した。この日、幕を開けた全国301スクリーンは、「男たちの大和」の315に及ばなかったものの、4月27日時点の前売り券売り上げ実績では「大和」比115・1%を記録。一般的に土曜日に迎える初日に対し、この日は平日の木曜日という変則初日で単純比較は難しいが、同社の興収記録の更新を狙えるスタートを切った。

 劇場関係者によると、前売り券販売の好況に加え、観客動員数も「大和」の初日を大きく上回っているという。東京・丸の内TOEIで行われた舞台あいさつに出席した水谷も「(00年のテレビ朝日系)土曜ワイド劇場から始まった『相棒』ワールドを皆さんと共有できて感無量。『相棒』を見た回数の競争が始まりますよ」と冗舌だった。

 好調な初日を迎えられた一因には、積極的なプロモーション展開があった。主演の水谷が、ドラマを制作するテレビ朝日系の番組、「徹子の部屋」や「SmaSTATION!!」、他局にも足を運び、NHK「SONGS」やTBS「はなまるマーケット」など17番組に出演。キャンペーンも大阪、名古屋など8都市を回ってPRしてきた。

 ドラマ版は最新の第6シリーズの最高視聴率が18・3%を記録するなど好調でテレビ朝日の看板番組に成長。映画版もロングランが期待され、東映公開作品の頂点に立つ可能性が見えてきた。