俳優西島秀俊(39)と常盤貴子(38)の共演映画が、イラン映画界の巨匠アミール・ナデリ監督(65)によって撮影されていることが2日、分かった。2人の共演作は日本映画「CUT」で、撮影は8月上旬にスタート。邦画の商業主義に逆らい、兄からの借金で芸術系の作品を撮り続ける映画監督の苦悩を描いた作品だ。

 08年「真木栗ノ穴」以来の主演作になる西島が、借金返済のために「殴られ屋」を始め、満身創痍(そうい)になる映画監督を熱演。常盤はヤクザの組員を相手にするバーのホステス役で、13年ぶりのショートヘア姿を披露している。

 西島は05年、独創的な作品を集めた東京フィルメックス映画祭に審査員として参加。監督作品「サウンド・バリア」の招待上映のため、来日したナデリ監督と出会い、一緒に映画を作ることを約束したという。「約束が実現できてうれしい。ナデリ監督の圧倒的な映像と音、エネルギーに巻き込まれていくことを楽しみにしています」。

 86年「駆ける少年」、日本でも公開された93年「マンハッタン・バイ・ナンバーズ」などの名作を撮ってきた同監督は、日本人スタッフと協力し、古き良き時代の芸術的な日本映画を復活させたいという思いを脚本に込めたという。

 常盤も同監督の熱意に共感した。「監督は『日本の古い映画には、時間がゆっくり美しく流れる作品がたくさんあって、大好きだった。でも最近は商業的な作品が多くて、どうにかしなくてはいけないと思って、立ち上がった』とおっしゃっていた。面白いと思って、参加しました」。

 大物監督の新作が、日本映画界に警鐘を鳴らすことは間違いなさそう。共演は菅田俊、笹野高史、芦名星ら。