政治に興味を持ったきっかけは、「テレビで出来ないことが多くなってきたなあ」と感じて、いったいどこがルールを作っているのか調べたことからだという淳。今回は政治について話を聞いた。

淳が自分で持っているスタジオ。「自分の考えをここから発信できる」(写真は本人提供)
淳が自分で持っているスタジオ。「自分の考えをここから発信できる」(写真は本人提供)

 最近の政治情勢についていうなら、野党は心もとないなあ。あれだけ党の数があるのに、それぞれの選挙区に各党が候補者を立てたら、そりゃ自民党が有利。そんな簡単なこともなんで大人たちは都合をつけてやれないのかって、いつも思っていた。

 でも、ずっとどこの選挙区にも候補者を絶対に立て続けてきた共産党が、最近「そこの選挙区に、おたくが(候補を)立てるなら、うちは立てません」と言い出した。野党自身も、自分たちは何のためにいるのだろうというプレッシャーを感じ始めてきているんじゃないかな。


 本当に意見がまとまって大きな野党連合ができるなら、国民のためになると思う。与党に対峙(たいじ)するものがなければブレーキをかけられる政党がないので、僕は何となく、いつも野党を応援してしまう。でも結局、野党の人って「人数が集まらないから、とりあえずくっつこうぜ」ってくっつくけど、思いが一緒じゃないから必ず別れちゃう。何回、この流れを繰り返すんだ(笑い)。ホント、ばからしいなぁって。

福岡の西南学院大学で番組の収録をした。壇上で大学生と話す淳(写真は本人提供)
福岡の西南学院大学で番組の収録をした。壇上で大学生と話す淳(写真は本人提供)

 そう考えると自民党はまとまっている。党内にいろんな意見があっても、あそこは絶対に崩れないから。野党は、バラバラにならないということをまず自民党から学ぶべきじゃないかなあ。


 前に番組でホームレスの人を集めてトークした時、今の政治どう思いますか?って聞いたら、1人が「全員自民党になればいい」言った。その場は「また、またあ」とか言って流したけど、そのことが1週間ぐらいずっーと頭から離れなくて、お風呂に入っても考えていて。暴論だと思ったけれど「全員自民党論」とかいいな、とか思ったりして(笑い)。ひとつの党の中で右も左の考えの人もいる方が、国民にとっては一番わかりやすいんじゃないかって。


 今の野党は本当にもったいない。今回の安保法制もバラバラで止められないし、ブレーキをかけられない。とりあえず、止めているよってポーズに見えた。次の選挙に向けてアピールしている感じ。

下村文科大臣(当時)を番組の中で取材したこともある(写真は本人提供)
下村文科大臣(当時)を番組の中で取材したこともある(写真は本人提供)

 おれ自身は安保関連法に賛成か反対かは、これまでずっと言ってこなかった。なぜかって言うと、これっておかしいんじゃないか、とか自分の思想を押し付けることはしたくないから。テレビに出ていて顔を知られている人間として、ひとつの意見を扇動するようなことはやめようと思っている。これってどうなのか、とか、疑問に思うことを投げかけて、多くの人に考えてもらうっていうことがおれにできることだと思っているから。


 ただ今は、安保については(法律が)決まったので言えるかな。僕は基本的に、あの法案がどうのこうのではなくて、憲法9条の解釈の仕方がおかしいと思っていた。安倍さんとか、その時々の権力者によって読み解き方が変わっていくような憲法ならば、早く変えた方がいいと思うので「改憲派」ですね。ただし、ちゃんと手続きを踏んだ上で、ですけど。

西南学院大学の学食で食事。学生に囲まれた(写真は本人提供)
西南学院大学の学食で食事。学生に囲まれた(写真は本人提供)

 今回(安保法制を)焦って変えた理由が、もうアメリカと約束してしまっていたからというのは、日本国民として、腑に落ちない。ちゃんと「アメリカの圧力がすごくて」って説明すればいいのになと思う。「それでもこの圧力を振り払った方がいい?振り払ったら、それなりのリスクがある。振り払ってもいいけど、みんなこれからどうして行きたいの?」みたいに聞くことが、今の時代に合っているような気がする。


 「安倍さん、そんなにアメリカから圧力を食らっているんだったら、安保早めようよ」と思う人もいるかもしれない。おれも、何だったらそっちなんで。正直に言ってくれるなら。でもそうはいかないんでしょうね、政治の世界って。

 おれは政治をやっていないからこうやって好き勝手に言えるけど。(取材・中山知子)

(ニッカンスポーツ・コム「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)