“車椅子の天才物理学者”スティーヴン・ホーキング博士の半生と、彼を支え続けた妻との純愛を描く感動のヒューマン・ラブストーリー「博士と彼女のセオリー」(公開中)。第87回アカデミー賞では、本作の主演・ホーキング博士を務めるエディ・レッドメイン(33)が主演男優賞を見事受賞。ホーキング博士の半生を描く上で、欠かせない存在であり、類いまれな強さを持った女性・妻のジェーン・ホーキングをフェリシティ・ジョーンズ(31)が熱演している。

 ホーキング博士の妻を表現する上で必要とされたのは、肉体的な挑戦ではなく、どんな精神的な挑戦にも応えることできる女優。そんな製作スタッフの要望に見事に応えたのが、フェリシティだったのだという。監督のジェームズ・マーシュは「たくさんの難しいシーンがあって、エディは肉体的な試練にさらされ、フェリシティは精神的な試練にさらされた。彼女は矛盾した感情を表現しなければならず、それはすごく大変なことなんだ。“難病に苦しむ誰かを愛するというのがどういうことか”を伝えると同時に、それが恋人としての彼女自身にも、彼女の仕事にもどれほどの負担なのかを伝えなければならない」とジェーンという役柄を演じる難しさを明かした。

 しかし、ホーキング博士役のエディ・レッドメインと共に、見事に難役を演じたフェリシティ・ジョーンズ。脚本家のアンソニー・マクカーテンは、「フェリシティはジェーンの人格を深く掘り下げてくれて、彼女の脆さと強靱(きょうじん)さの間をうまくたどってくれた。それに、ジェーンの姿をうまく捉えられたと思う。彼女の表現にはジェーン自身の強さが反映した本物らしさと自制心があるからね」と彼女の持つ本来の強さがうまく反映されていると絶賛。

 また、「女優として1人の人物を何年にもわたって演じられる機会が得られてうれしかったわ」と話すのはフェリシティ・ジョーンズ。実際にジェーン本人に会いに行き、「ジェーンは決して諦めることを知らない女性。スティーヴンに自分の人生をささげたけど、同時に自分自身のアイデンティティーの感覚は維持し続けたの。自分が自分として認められることが大事だったから、彼女は夫を世話し、家族を育てながら、自分の研究を続けたのよ。本当に素晴らしい女性だわ!」とジェーンを演じた喜びについて語っている。【ハリウッドニュース編集部】