NEWS加藤シゲアキ(27)が初の短編小説集「傘をもたない蟻たちは」を6月1日に発表する。このほど取材に応じた。「週刊SPA!」「ダ・ヴィンチ」などに掲載された5編と書き下ろし1編の計6編。人の痛みや人生の生きづらさをつづった。恋愛小説やサラリーマン小説などジャンルは多様。恋愛小説「染色」では生々しい性描写に挑戦した。「これまで控えてきたのはジャニーズだからというところもゼロではない。ファンがどう思うか怖い部分もあった。過激な描写がなければ伝えきれない部分もある。必要だったので書くしかないなと。作家としてもう一皮むけたかったというのもあった」。

 雑誌で発表した際、ファンからは「全然大丈夫」と好意的に受け止められたという。描写の参考にしたものは「妄想ですよ、妄想」と笑う。また「ジャニーズらしからぬことも作家としてちゃんとできて、それも満足しています」という。

 唯一の書き下ろし作「にべもなく、よるべもなく」は高校3年生の時に書いた人生初の小説「妄想ライン」を核にしたもの。2人の男子中学生の性と愛、葛藤を描き、同性愛も描いた。「もう少し深く突き刺さる作品を書く上で不可欠でした」。これまで長編3冊を発表しているが、執筆依頼が相次いでおり「やっと作家として認めてもらったのかな」。

 今回は挑戦が続いた。「幅広い層に受け入れられるというよりも、ニッチ、ピンポイントの層でいいのかなと。ジャニーズだからと作品に手を取れない方にも、ためらいもなくプッシュできる」。表情は自信にあふれていた。