女子高生演歌歌手さくらまや(16)が、ミュージカルに初挑戦することが21日、分かった。2003年から13年連続で公演される人気作「赤毛のアン」で、アンの親友、ダイアナを演じる。史上最年少演歌歌手として10歳から日本の心を歌ってきた少女が、カナダの名作で、歌声を響かせる。

 「ミュージカルは、演歌のようにこぶしを利かせる歌い方ではないので、私は素人。これから練習します」。さくらは謙虚に言うが、カラオケ番組では、アニソン、ニューミュージック、ポップスも完璧に歌い、視聴者を驚かせてきた。だからこそ立った白羽の矢だった。

 同作は毎年、春の全国オーディションで出演者が決まる。ただ、今年に限って「ダイアナ役の該当者はなし」。思案した主催者のエステーが「我々の『消臭力』を美声で売ってくれている子がいるじゃないか。彼女の歌唱力なら」と、自社CMに出演していたさくらにオファーするに至った。

 もっとも、不安がないわけではない。ダンスだ。経験は、「消臭力」のCMでミゲル君(16)とデュエットしてステップを踏んだときぐらいだ。「実はあれは振りを合わす必要がなかったんです。舞台では、共演者の皆さんに合わせないといけません」と背筋を伸ばした。

 すでに、昨年までの舞台のDVDを見ながらの自主練習を始めた。「演歌のステージは1人だったけれど、今度はチームワークが大切。同世代の共演者ばかりなので、いい刺激を受けられそうで楽しみです」。

 デビュー7年目。さらなる飛躍のチャンスとなる同作は、8月16日札幌公演を皮切りに、全国8都市10会場で上演される。【瀬津真也】

 ◆さくらまや(本名・草野真耶=くさの・まや)。1998年(平10)7月26日、北海道帯広市生まれ。3歳から童謡を習い始め、04年全国童謡歌唱コンクールグランプリ大会で金賞。08年に演歌「大漁まつり」で歌手デビューし、09年日本レコード大賞と日本有線大賞で新人賞をダブル受賞。10年、帯広市観光大使に任命される。好きな歌手は北島三郎、水森かおり。

 ◆「赤毛のアン」 1908年、カナダ人作家L・M・モンゴメリーが発表した小説が原作。孤児アン・シャーリーは、男の子と間違えられてカスバートきょうだいに引き取られる。日本でのエステー主催ミュージカルは13年連続で夏休みに上演。歴代アン役は山川恵里佳、華原朋美、島谷ひとみ、神田沙也加、高橋愛で、今年から上白石萌音(17)。