毎年恒例の上方落語ファン感謝祭「第25回 彦八まつり」が5日、大阪市天王寺区の生国魂(いくたま)神社で始まり、3月に亡くなった人間国宝の桂米朝さん(享年89)をモデルにした人型ロボット「米朝アンドロイド」が“出演”した。

 昨年11月の高島屋大阪店(大阪市中央区)での展示以来約10カ月ぶり、米朝さん死去後は初めての登場となった。

 落語会場となった同神社の参集殿の入り口に展示されたアンドロイドに上方のファンは「そっくりやな~」「本当に米朝さんがいるみたい」とつぶやいた。同まつり実行委員長の桂文珍(66)が「今年は米朝師匠が亡くなられたこともあり、米朝アンドロイドを生で見てもらいたい」と企画した。落語の実演もできるアンドロイドだが、今回は展示のみ。ロボット工学者である大阪大の石黒浩教授らが約8000万円かけて制作した。

 米朝さんの長男桂米団治(56)は「見学されたみなさんから『よう似てるな~』と言われました。みなさんから親しまれ、愛されていたことがよく分かります。おそらく彦八まつりでの展示は今回が最後になるでしょう」と話した。

 同まつりは2日間にわたり開催され、6日午後5時からは米朝一門による追善落語会が開かれる。