三浦友和(63)が理想の家庭を作ることに失敗した父親を演じた。

 無差別殺人事件を起こした男と、その家族の壮絶な姿を描く映画「葛城事件」(来年公開予定)に主演した。メガホンをとった赤堀雅秋監督(44)の熱烈なラブコールに応えて異色作に挑戦した。私生活のイメージと正反対の役柄をどのように演じきったのか注目される。

 三浦が演じた主人公は、疲れ果てた容姿が示すように、絶望と葛藤を抱えた男だ。2児の父として家族のためにがむしゃらに働いてきたが、心を閉ざして粗暴になった次男が8人殺傷の無差別殺人事件の加害者となる。父は自責の念と後悔にまみれ疲れ切っていく。三浦は設定について「どんな父親でも、少し歯車が狂えばそういうことに陥る可能性がある」と感じた。私生活でも同じ2児の父親だが「自分にも当てはまる話と感じた。子供にどうやって愛情を注げば正解なのか悩むのは、親として永遠のテーマですから」と話した。