吉永小百合(70)が4日、都内で行われた菊池寛賞(日本文学振興会主催)授賞式に出席した。文化活動で業績を挙げた個人や団体に贈られる賞で、吉永は長年にわたる女優業と、86年からライフワークとして続ける原爆詩の朗読に加え、11年からは東日本大震災と福島第1原発事故に見舞われた福島県民の詩を朗読し、復興支援に尽くしたことを評価されて受賞した。

 吉永は席上で12日公開の主演映画「母と暮せば」(山田洋次監督)に触れた。昨年7月に中咽頭がん公表後、同作品の音楽制作で復帰した坂本龍一(63)が13年に編成した東日本大震災の被災地岩手、宮城、福島3県の小、中、高、大学生中心の楽団「東北ユースオーケストラ」が来年3月26日に都内で開くコンサートに出演すると明かした。

 その上で、菊池寛賞の副賞100万円を同コンサートに寄付すると明かした。「私もちょっとだけ出演して、皆さまと一緒にすてきなコンサートを開きたいと思います。いただきました賞金は、その会のために使わせていただきたいと思っております」。関係者によると全額寄付するという。