「怒り」の視点で2015年を総括する「第1回アンガーマネジメント大賞2015」(日本アンガーマネジメント協会)が9日、発表され、怒りの感情を上手にコントロールできた人として、プロサッカー選手の三浦知良(48=横浜FC)が大賞に選ばれた。

 4月、48歳で現役を続けるカズに対し、野球評論家張本勲氏がテレビで「もうお辞めなさい」と引退勧告し、ネット上で張本氏に批判が殺到した。カズは「これなら引退しなくていいとオレに言わせてみろ、ってことだと思う」。大の巨人ファンで、尊敬する張本氏からの発言に「光栄です。激励と思って頑張ります」と対応した。

 日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏は「目上の方の意見を尊重しつつ、ポジティブに反応した点が多くの人の共感を集めた。気難しい上司に対する軽やかな返し技として見習いたい人が多いのでは」と評価している。

 2位は、お家騒動で実父の会長から強い批判を受けるも冷静に対応した大塚家具の大塚久美子社長、3位はフランスのレストランで人種差別を受けるも冷静な対応をしたミュージシャン、Gacktだった。

 一方、怒りの感情をコントロールできずに失敗してしまった有名人の1位は、ナッツ姫こと元大韓航空副社長チョ・ヒョナ氏。安藤氏は「怒りの感情を、立場の強い人から弱い人へ向かうという性質そのままにぶつけたことも多くの人から反感を買った」。2位は大塚家具の大塚勝久会長。安藤氏は「真の争点である経営問題よりも、娘との確執という私闘を全面に出してしまった。感情的になるほど、伝えたいポイントが伝わらない」とした。3位は森喜朗氏。

 調査は、全国の男女会社員約400人へのアンケートと、協会公認の講師200人による投票で行われた。