気になる静岡県テレビ局のアナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」2016年のトップバッターは、静岡朝日テレビの広瀬麻知子アナ(28)です。レギュラー番組「ピエール瀧のしょんないTV」(木曜深夜0時20分)は、静岡の他、計11局で放送され、人気は全国区です。天然キャラが持ち味ですが、実はリケジョ(理科系女子)。入社の経緯から聞きました。

 -なぜ、アナウンサーを志したのですか

 きっかけは大学2年生の時でした。「テレビ局ってどんなところなんだろう」と思い、フジテレビの見学ツアーに1人で飛び込みました。そこで、収録を見学して、局内を歩き、ニュース原稿を読ませてもらった時、「あっ、楽しい」と思ったのがきっかけでした。突然の決断でした。

 -リケジョですよね。どんな研究を

 大学では化学の研究をしていました。卒業研究は、味覚、苦味についてでした。舌のどの部分で、どの苦味を感じるかだとか。遺伝子系でマウスを使っていました。友人は化粧品会社の研究者になっていたりします。でも、私はそっちに行かなくて良かったなと思います。結構、大ざっぱな性格なので。何かしでかしていたなと思います。大学の研究でも、ちょっとした爆発を起こしたりしていましたので(笑い)。

 -アナウンススクールには行きましたか

 (フジに)見学に行った後、すぐにスクールを探して、BSフジの学生キャスターもやらせていただいたりと、ものすごい勢いで頑張りました。

 -採用試験は

 3年生の時にキー局を受けました。千葉出身で実家住まいだったので、東京にこだわりがあって、地方局は受けませんでした。そこでダメでアナウンサーを1度あきらめ、大学院に進むつもりで勉強していました。ただ、4年生の冬、スクールの方から「静岡朝日テレビが春採用で募集を始めた。静岡は千葉からも近いし、最後の最後、受けてみたら」と言われまして。すごいタイミングでした。

 -その時の試験は

 もう、ボロボロでした。観光気分で「行っちゃえ~」みたいな感じだったので。まず、東京駅から静岡駅に止まらない新幹線に乗って名古屋に行ってしまい、「あ~、遅刻する」と思いながら、会社に着きました。試験でそんな話をして、面接官も苦笑い。1階ロビーであったカメラテストで「この状況を1分半、リポートしてください」と言われ、「本当に暗くて寂しい感じです」というマイナスなリポートばかりをして、約1分で終了。まったく手応えがなく、「あ~、ダメだった~」と号泣しながら母親に電話しました。忘れられないです。

 -とはいえ、内定が出たわけですね。取材によると、1次面接の時から高評価だったようです。内定が出て静岡に住むことが決まった心境は

 家族も大変、驚いていましたが、率直にうれしかったです。静岡は千葉からも電車で約2時間ですし、ご縁があったんだなと思います。

 こうして静岡朝日テレビのアナウンサーになり、1年目の10年秋から「ピエール瀧のしょんないTV」がスタート。おなじみの天然キャラが開花しました。「その2」では、「しょんない-」でのエピソードを聞いています。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆広瀬麻知子(ひろせ・まちこ)1987年(昭62)10月24日、千葉県生まれ。学習院大理学部化学科卒。10年に入社。主な担当番組は「ピエール瀧のしょんないTV」「筧利夫のサタ☆ハピ!しずおか」「とびっきり!しずおか」「広瀬のぶらぶら旅」。家族は両親、兄2人。血液型A。