お笑いコンビ、笑い飯の哲夫(41)が19日、大阪市内で新刊「ブッダも笑う仏教のはなし」(サンマーク出版、1404円)の出版記念サイン会を行った。

 哲夫は幼少時に「なんかかっこええ響き」とお経に興味を持ち、高校1年の時に教師から「四苦八苦という字を4×9、8×9にしたら、36+72で煩悩の数字108になる」と指導されたことをきっかけに、独学で仏教を学んだ。関学大文学部哲学科でも仏教を学び、お笑いの世界に入ってからも写経するなど「仏教好き」を続けていた。

 09年に出した「えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳般若心経」に続く第2弾の「仏教本」。「お風呂に入ったときみたいに『気持ちいい~』ってなるのが仏の教えなんです」。3カ月をかけて書き下ろし、哲夫流に仏教をかみ砕いた内容となっている。

 「煩悩のかたまり」という哲夫は新刊本への「煩悩」も見せた。お笑いコンビ麒麟の田村裕のベストセラー私小説「ホームレス中学生」にライバル心を見せ「280万部売れたそうです。本を縦に積んでいくと大気圏を出るそうです。できれば(新刊本を)縦に積んで、月に到達させたい」と意気込んだ。もし、月に到達する奇跡が起きたら「自分のぜいたくではお金を使わないでおこうと思っている。売上の全部を生き銭にしようと。社会貢献? そうです」と話した。

 飲み友達には「火花」で芥川賞を受賞したお笑いコンビ、ピース又吉直樹、直木賞作家の西加奈子氏がいる。2010年M-1グランプリの覇者は「何も賞がないのは一緒に飲んでいて恥ずかしい。芥川賞、直木賞をもらえる内容ではないので、本屋大賞をいただけるとうれしい」と、たっぷり「煩悩」をのぞかせた。