演出家蜷川幸雄氏(80)の半生を描いた舞台「蜷の綿」の上演が延期されることが21日、分かった。

 蜷川氏演出の「蜷川版」と、脚本を書いた藤田貴大氏(30)演出の「藤田版」が2月9日からさいたま市のさいたま芸術劇場で上演予定だった。蜷川版に代わって「リチャード二世」、藤田版に代わって「夜、さよなら」など3作品を上演する。

 蜷川氏は昨年12月中旬、今月7日初日の舞台「元禄港歌」の稽古中に体調を崩し、軽度の肺炎と診断されて入院。1月上旬から「蜷の綿」の稽古に入る予定だったが体力の回復が十分ではなく、蜷川版、藤田版ともに地方公演を含めて延期を決めた。仕切り直し公演の時期は未定。蜷川氏は「悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります」とコメントした。2月中に退院し、5月の舞台「尺には尺を」の演出で復帰する。