アップル社共同設立者のスティーブ・ジョブズの生き様を描いた「スティーブ・ジョブズ」(2月12日日本公開)。女優のケイト・ウィンスレット(40)が、ジョブズと闘いながらも唯一彼のやさしさを引き出せる存在だったマーケティング担当、ジョアンナ・ホフマンという重要な役を熱演している。

 本作は、ジョブズの生涯の最も波乱に満ちた時期の3大製品--1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰して発表した1998年のiMacという重要な3つのフェーズでのプレゼンテーション「直前40分の舞台裏」を描き出した人間ドラマ。

 ジョブズといえば、スタッフにむちゃくちゃ要求をして、気に入らないことがあれば容赦なく罵声を浴びせることで知られている。本作でもその暴君的なキャラクターは健在だが、それに毅然(きぜん)と立ち向かうのがジョアンナだ。勝ち気の強い彼女はジョブズと激しい口論を繰り返し、時には彼をやり込めてしまう。ある場面では、ジョブズ相手に自身の辞職を盾に要求をしっかり通すことに成功する。

 このジョアンナの強さは、ジョブズにも高く評価されていたことがわかる。本作の第2幕でジョブズはアップル社を追われてNeXT社を設立しているが、彼女はそこでもジョブズと共に働いている。2人の間には強い信頼関係があったのだ。

 ジョブズ役を演じたマイケル・ファスベンダーは、「間違いなくジョブズの中にある人間的な部分を引き出せるのはジョアンナだけだ。ケイトの演技は、そこをよくつかんでいる」と彼女の演技を称賛。本作の陰の主役ともいえるジョアンナにぜひ注目してみてほしい。

【ハリウッドニュース編集部】