吉本興業のタレント養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」大阪校38期生の卒業ライブが10日、大阪市内で行われ、98組約200人が「首席」をめぐってネタを演じ、ロケット作りを特技とする理系男子が優勝した。

 今年の首席に決まったのは、男性トリオ「マイマイジャンキー」。その“センター”は、大阪府大で航空宇宙工学を学んだ宮崎駿介(23)が務め、理系の頭脳を生かした時限爆弾ネタを演じた。

 「大学で2時間、鉄板溶かし続けたりしていて、研究にこもりすぎて、人としゃべりたくなった」

 昨春、大学を卒業し、夢をロケット発射から芸人に変え、NSCへ入学した。NSCに入り、年下の管野慶和(かんの・よしかず=20)、明賀愛貴(みょうが・あいき=19)と出会い、昨年10月にトリオを組んだ。ネタは宮崎が管野と作り、卒業“試験”に臨んだ。

 毎年、東西あわせて400人前後が卒業し、プロを目指すが、スターになれるのは一握り。卒業ライブで首席になると、当面の4月は仕事がみっちり入る。

 アルバイトで生計を立てる若手コンビにはありがたいはずだが、いきなり多忙になり、昨年、一昨年と首席コンビが解散する事態になっているという。

 宮崎は「僕らは解散しません。まずはバイトやめます」と力を込めた。

 また、管野は目標の先輩を聞かれると「いないですね。唯一無二の存在になりたい」と強気発言。最年少の明賀は「僕も早くネタが作れるようになって、トリプルの頭脳で進みたい。誕生日が同じダウンタウンの松本さんみたいになりたい」と夢を掲げていた。