日清カップヌードルのCMが苦情により放送中止になったことについて、脳科学者の茂木健一郎氏(53)が「日本の世間の許容度の低下」を指摘した。

 同CMは、タレントの矢口真里(33)が不倫騒動以来初めて出演したことでも話題となっていたが、日清食品は視聴者から多数の意見が寄せられたとし、「皆様にご不快な思いを感じさせる表現がありましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で同CMの放送中止を発表した。同CMは、ビートたけしが学長を務める架空の大学「OBAKA’s大学」を舞台に、教授として小林幸子、畑正憲、新垣隆、そして矢口が出演。たけしが「『おりこうさん』じゃ、時代なんか変えられねぇよ。諸君たち、『バカ』やろう!」と呼びかける内容で、矢口の登場シーンは、教壇で「二兎追うものは、一兎をも得ず」と熱弁を振るう矢口に対し、生徒が「これ、実体験だよね?」と囁き合うという、不倫騒動をネタにしたものだった。

 茂木氏は10日に更新したブログで同CMの放送中止について「この程度の演出で、批判が来て中止になるのか」との感想を明かした。特定のタレントに対する強い批判が放送中止の理由とされていることについては、「どうも、世間(の一部)は、特定のテーマ、人物に対して、たとえそれが薄められていても、許容しないような、一種のアレルギー反応のような心理状態になっているようです。この程度のCMで中止とは、今の世の中の不寛容の程度が計測できて、興味深いです」と私見をつづった。