9月2日にイタリアで開幕する世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭ラインアップ発表会見が23日、行われた。最高賞・金獅子賞を争うコンペティション部門に、塚本晋也監督(66)の3年ぶりの新作「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(9月11日公開)と、是枝裕和監督(63)の新作「ルックバック」(9月11日公開)の出品が決まった。

コンペ部門への出品は、是枝監督は金のオゼッラ賞を受賞した95年の監督デビュー作「幻の光」、17年「三度目の殺人」、19年「真実」、塚本監督も09年「鉄男 THE BULLET MAN」、14年「野火」、18年「斬、」に続き、それぞれ4度目。日本映画の同部門への出品は、23年に審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した濱口竜介監督(47)の「悪は存在しない」以来3年ぶり。

「ルックバック」は、藤本タツキ氏(33)の漫画の実写化作品で、出口が4コマ漫画が得意なクラスの人気者の藤野、同学年の藤野の4コマ漫画の大ファンで、ひきこもりでひたすら絵を描いていた京本を蒔田が演じる。是枝監督は映画祭に参加し、出口と蒔田も初参加を予定している。出口は「特別な場所に、是枝監督と一緒に行けると聞いてすごくうれしいですし、とてもワクワクしています」と期待。蒔田も「いつか是枝監督と海外の映画祭に行くことが夢だったので、出品が決まって、とてもうれしいです」と喜んだ。同監督も「31年前、僕のデビュー作を上映してくれたベネチア映画祭でこの作品を再びお披露目出来ることに特別な感慨を抱いている」と喜びをかみしめた。

「ネルソンさん-」は、18歳で海兵隊に志願してベトナム戦争に従軍も、帰還後に自身が繰り返した殺りく行為のトラウマとPTSDに苦しんだ米国のアレン・ネルソンさんの自伝が原作。塚本監督は「世界がきな臭くなってきた今、ひとりでも多くの人にアレンさんの体験と生きざまを見ていただきたいと思います」と期待した。

◆「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 貧困と差別から抜け出すために18歳で海兵隊に入隊したアレン・ネルソンは、ベトナムの戦地でいかに多くの人を殺せるかを学び、対価はわずかな賃金とPTSDだけ。23歳でホームレスとなった中、この世につなぎ留めたのは退役軍人病院のダニエルズ医師だった。ネルソンの壮年期を米俳優ロドニー・ヒックス(52)、若き日に映画初出演のマーク・マーフィーを抜てき。ダニエルズ医師役を米アカデミー主演男優賞を受賞したオーストラリアのジェフリー・ラッシュ(75)、戦争体験者の父親を持つ黒井をリリー・フランキー(62)が演じた。