推理作家でシャンソン歌手としても活躍した戸川昌子(とがわ・まさこ)さんが26日午前5時47分、胃がんのため静岡県内の病院で死去した。85歳。東京都出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。

 1950年代後半、シャンソン喫茶「銀巴里」で歌手デビュー。代表作「リリー・マルレーン」で知られた。

 歌手の傍らミステリー小説を執筆、62年に「大いなる幻影」で江戸川乱歩賞を受賞した。その後も直木賞候補となった「猟人日記」をはじめ、数多くの作品を発表した。

 67年に東京・渋谷に開いたシャンソンバー「青い部屋」は、三島由紀夫、川端康成ら多くの文人に愛された。