刺しゅうを用いたアート作品を生み出す美術家、清川あさみ氏(36)が30日、大阪市内で、10月3日スタートのNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のオープニング映像を担当することになり、会見に出席し、第1子を妊娠していることを明かした。

 清川氏は昨年、彫刻家の名和晃平(なわ・こうへい)と結婚。今年春ごろに妊娠が判明し、男女の性別は「お楽しみに」と明かさなかったが、ちょうど、ドラマの放送スタート時期になる10月ごろが出産予定日という。

 清川氏は「このお話をいただいたときに、命を授かったばかりで、運命を感じています。ヒロインがどんどん成長していく作品と、私もリンクする部分があり、おなかの新しい命と一緒に物語を紡いでいければ」と笑顔で決意を口にした。

 ドラマは、子供服専門店「ファミリア」の創業者をモデルにし、芳根京子(19)演じるヒロイン坂東すみれが、戦前から戦後、高度成長期を生き抜き、子供を持つ母のために奔走する姿を描く。

 同作品をめぐっては、今年1月、製作発表の際に、脚本を担当するフリーの羽鳥慎一アナ夫人でもある渡辺千穂氏が、オメデタを発表。妊娠中の会見出席で、また今回も、清川氏が、おなかに赤ちゃんを抱えながらの登場となった。

 いわば、同作品がコウノトリ的な立ち位置にもなっており、芳根は「こうも幸せを聞く機会が立て続けに続くと、ご縁かな…と。(劇中で出産し、子を持つが)実際には私は出産したことはないので、ぜひ、感想をお聞きしたい」と話し、祝福した。

 また、制作の三鬼一希チーフ・プロデューサーも「ねらっているわけじゃないですが、オメデタが続きましたね」と苦笑しながらも、幸せムード漂う現場に手ごたえも感じている。もっとも、出演者にオメデタがあっては、収録に支障が出るため「さすがにそれは大変なことになるので。大丈夫です、今のところは」と笑いながら話した。

 今回は、ヒロインが、刺しゅうをする場面もあり、NHKは、刺しゅうを用いた作品で知られる清川氏に映像を依頼。清川氏は即諾し「朝ドラは好きで見ていたので、うれしかった。不安もあれば、楽しみ。自分1人じゃないって思いが(作品に)反映できたら」と、早くも母の顔ものぞかせながら、コメント。来月半ばには映像の撮影に入る予定。