【メキシコ・グアナファト28日(日本時間29日)=近藤由美子】ラテンアメリカ最大の映画祭「第19回グアナファト国際映画祭」でドキュメンタリー映画「We Are X」が公式上映され、X JAPANのYOSHIKIが出席した。映画の世界公開や新作アルバムのメドがつくタイミングで、約5年半ぶりの世界ツアー開催に意欲を示した。

 YOSHIKIは観客の前で、世界ツアー開催をほのめかした。メキシコ訪問は3回目。公式上映後、観客から「いつメキシコに戻るのか」と質問されると「多分、来年です。ツアーをやるかもしれません」。X JAPANはメキシコをはじめラテンアメリカで不動の人気を誇るだけに、会場から歓喜の声が上がった。

 来年3月に英ウェンブリーアリーナ公演を開催予定。「ウェンブリー公演あたりから、活動が活発になる可能性が高まってきている」とし、同公演が世界ツアー初日の可能性が高いことも示唆した。実現すれば、世界ツアーは11年11月のタイ公演以来となる。

 現実的にも、世界ツアー実現に向けた土台が整いつつある。「新作アルバムと映画公開の両方のメドが立ってきましたから。(映画公開は)多分、米国からだと思います。年内にも」と明かした。映画は上海映画祭などで上映。パフォーマンスも行うなど、積極的にPRしてきた。「何十カ国の配給会社と話をしています。映画祭に行った国は、ほぼ公開されると思います」と手応えを口にした。

 世界で戦うYOSHIKIにとって、リオ五輪日本代表を自身に重ねる部分がある。上映会後、野外ステージでピアノ演奏を行ったが、ライトがすぐつかないなど、小さなトラブルが発生した。「海外で戦うと強くなります。スムーズにいかない中、全力を尽くすことが大事ですから。代表の活躍は刺激になります」。

 注目するのは体操男子チーム。「強い種目は(米国のテレビに)よく映るんですよ。ずっと見ていました」。特に注目選手に白井健三選手を挙げ「若いのに素晴らしいですよね」と絶賛した。さらに柔道も挙げ「高校の授業でやっていて、投げ飛ばされてばかりでしたが、好きですよ」と意外な過去も告白した。「日本を背負って海外にいる時は、僕もプレッシャーにもなるけど、それをエネルギーに変えればいい」。自身にも言い聞かせるように、日本代表にエールを送った。

 ◆グアナファト国際映画祭 ラテンアメリカの若い映画製作者のために、98年から開始。今年は419作品が上映され、日本は特別招待国として参加。原田真人監督、河瀬直美監督、桃井かおりらが出席。10日間で約13万人が来場予定。グアナファトはカラフルで美しい街並みが有名で、世界遺産に登録されている。