フジテレビ系ドラマ「HOPE・期待ゼロの新入社員」(日曜午後9時)に主人公一ノ瀬歩(中島裕翔)の上司、織田課長役で出演中の遠藤憲一(55)をインタビューした。同作は、韓国のウェブ漫画「ミセン-未生-」が原作で、韓国でもドラマ化されている。

 -織田課長の役をやるにあたり、原作の漫画やドラマは見られましたか

 遠藤 漫画ではキャラクターを見ました。モロ見たのは、韓国ドラマ「ミセン」は、ガッツリ見ました。普段、原作とかは、あまり見ない主義なのですが、今回、「HOPE」の台本をもらった時に「うまいな~」「いい作品だな~」と思って、試しに見てみたら、一気に全話いっちゃった(笑い)。すごくいい作品で、びっくりしました。

 -どの辺りが良かったですか

 遠藤 1人の青年のちょっとずつの成長が、今回で言えば中島裕翔くんですが、ほんのささいなことで傷ついたり、(周囲は)成長を喜んでみたり…。というのが、好きなんだな~。どんでん返しするとか、急にエリートになるとか、そういうのなら興味はなかったのですが、少しずつの成長、そういう地味なところが良かったです。

 -織田課長(「ミセン」ではオ課長)の魅力とは

 遠藤 仕事には厳しいが、人情に厚い人。一方、過去に契約社員を守り切れなかったという負い目を感じている。今は高卒の一ノ瀬という男に徐々に情が入ってきているけど、相手に期待を持たせると過去にあった事件のことも思い出され、その葛藤する部分が織田という役の面白みかな。サラリーマンとして商社マンとしてやらなければいけないことと、情の部分では応援してあげたい。まさに葛藤ですね。

 -心に刺さったセリフはありますか

 遠藤 一ノ瀬に「踏ん張れ!」「踏ん張った先に希望があるんだ」と言う場面があります。自分のセリフの中では一番好きですね。屋上のシーンで、「会社では耐えた者が勝つ」というのもあって、その後に「踏ん張れ」が来る。全てのサラリーマン、人に通用するセリフだなと思います。「勝て!」でもない、ただ「頑張れ!」でもない。いいセリフですね。

 -最後に「HOPE」の視聴者と「ミセン」のファンに

 遠藤 漫画ファンの人はドラマ化された時、「絶対キャラが違う」と思ったでしょうが、この素晴らしい漫画が母体となってドラマ「ミセン」、海を越えて「HOPE」になりました。いろいろと、こだわりがあると思いますが、それはそれ、これはこれで、原作マンガにある「大切なもの」を拾って頂きたいと思います。「HOPE」もみなさまの期待、こだわりを裏切らないよう頑張ります。

 ◆「ミセン-未生-」 韓国の作家ユン・テホによるウェブ漫画。囲碁のプロ棋士の夢に挫折した主人公チャン・グレが、わけあって総合商社で働くことになる。満足な社会経験も学歴もない中、組織の一員として認めてもらえるべく、ひたむきに仕事に向き合う。「未生(ミセン)」とは、韓国特有の囲碁用語で、「死んでもいないし、生きてもいない石」という意味。「困難に直面しても諦めなければ必ずチャンスは来る」というメッセージが込められている。同作は、株式会社カカオジャパンが運営する無料マンガアプリ「ピッコマ」で独占配信中。http://piccoma.com/web/redir/30