フリーアナウンサー吉田照美(65)がパーソナリティーを務める文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」(月~金曜、午後3時30分)が来春に終了することが21日、分かった。吉田は同局で、80年10月から「てるてるワイド」など冠帯番組(月~金曜)を途切れることなく続けてきたが、36年半で終止符を打つことになる。日本を代表するラジオパーソナリティーの声がいったん、ラジオから毎日聴けなくなる。

 80年10月から途切れることなく続き、幅広い世代から人気を得てきた吉田の帯番組が来春、文化放送からなくなる。

 同局は「吉田照美 飛べ!サルバドール」は、来年3月末前後を最終回にする方向で調整している。関係者によると同番組の終了は、文化放送出身の吉田やみのもんたのような人気アナウンサーを育成していくため、同局が決断したという。同局は日刊スポーツの取材に対し「さまざまな要素から総合的に判断した」とだけコメントし、終了を認めた。

 吉田は74年に文化放送入社。80年10月から平日夜の帯番組「吉田照美の夜はこれから てるてるワイド」を担当し、軽妙でノリのいいトークで中高生ら若者層の心をがっちりつかみ、80年代における夜のラジオ人気をけん引した。

 「てるてるワイド」以降、自身の名がついた帯番組を継続。85年3月にフリーに転身すると87年から日中の時間帯にも進出し、平日午後の「吉田照美のやる気MANMAN!」、07年から平日朝の「吉田照美 ソコダイジナトコ」を担当し遊び心あふれたコーナーや、女性アナウンサーへのツッコミや面白いやりとり、そして時事問題にも臆せずモノを言う、骨のある姿勢で広い年代に支持されるラジオ界屈指の人気パーソナリティーとなった。

 関係者によると、「サルバドール」の後継番組は同局アナウンサーを起用した報道情報系の内容になるという。パーソナリティーはプロ野球の実況や93年4月~97年3月まで放送された情報バラエティー「とんカツワイド」を担当し若者に人気となった実力派、斉藤一美アナ(48)の名前が浮上しているという。

 ただ、文化放送で吉田の声が聴けなくなるわけではない。現在、俳優伊東四朗と一緒に出演している「伊東四朗 吉田照美 親父熱愛(パッション)」(土曜午後3時)は来春以降も継続して出演するという。

 ◆吉田照美(よしだ・てるみ)1951年(昭26)1月23日、東京生まれ。早大政経学部卒業後、74年文化放送に入社。「大相撲熱戦十番」などでリポーターとして活躍した後、78年4月から人気深夜番組「セイ!ヤング」のパーソナリティーで人気に。その後、80年10月から「てるてるワイド」など帯番組を担当。85年3月の退社後はテレビにも進出。同年からフジテレビ系「夕やけニャンニャン」の司会を担当した。趣味は油絵。血液型O。