昨年末、NHK紅白歌合戦のリハーサルから本番までを取材した。本番は楽屋廊下を通る歌手をキャッチし、コメントを取る。今年も印象に残る場面がいくつかあった。

 近年、楽屋廊下でも大人気なのがくまモン。X JAPANの出番では、くまモンはモニターを見ながら、手をクロスしてジャンプする「Xジャンプ」をしていた。出番を終え、取材を受けていったんは立ち去ったYOSHIKIがわざわざ引き返し、くまモンとXポーズでツーショット写真を撮っていた。スターの“競演”は見応えがあった。

 その後、くまモンに「ピコ太郎は?」とそっと聞いてみた。くまモンは力強くうなずき、「PPAP」のペンとリンゴを合体させるモノマネを超ショートバージョンで披露してくれた。出番待ちのアーティストやダンサーも、そっと拍手をおくっていた。

 リハーサルでは取材に応じることはなかった松田聖子だが、本番を終えた後は楽屋廊下を通って、コメント取材に応じた。丁寧に答えながらのアイドルスマイルはインパクト大だった。

 諸事情から、取材陣がいない別ルートで会場を出てしまうアーティストもいる。RADWIMPSらがそうだった。リハーサルでも本番でも、コメント取材の機会はなかった。大ブレークした旬なアーティスト。話を聞ける絶好のチャンスと思っていただけに、残念だった。

 何といっても、SMAPがいない紅白は寂しかった。毎年必ず、5人そろって取材に応じてくれた。肉声をしっかり聞かせてくれただけに、常に記事を書きたくなる存在だった。スターぞろいの紅白でも、抜群の存在感を放っていたことをあらためて痛感した。