日本維新の会(大阪維新の会)が今秋に予定される堺市長選に、公認候補として擁立する方針で調整していると報じられた、元読売テレビアナウンサーの清水健氏(40)が25日、奈良県内で講演会を開き、維新からの出馬要請に「まったくないです」と答えた。

 清水氏は終演後、スタッフが制止する中、報道陣に囲まれ、維新からの話も、今後、無所属で出馬する可能性も「まったくないです。何もないです。こういう情報が出て、混乱しているというか、迷惑をしています」とし、今は「一生懸命、講演活動を続けていくことしか、頭にないです」と話した。

 清水氏は、15年2月に乳がんのため、妻を29歳の若さで亡くし、がん撲滅を目指して基金を設立。今年1月末をもって、「清水健基金」としての講演などの活動に専念したいとして、読売テレビを退社。講演を中心に活動している。

 清水氏と維新をめぐっては、清水氏が読売テレビ時代にも擁立の動きが報じられていた。

 この日は、平群町自治会連合会の主催で、「大切な人の『想い』とともに」をテーマに講演。講演会では、司会から「清水先生」と紹介され「先生ではございませんので、それはやめてください」などと返す場面もあった。

 300人の聴衆を前にした講演の中で、この講演活動をライフワークとしたいといい、清水氏は「正直、まだ僕の居場所がどこにあるのか探しています。でも、つらい人に泣いていい、一緒に泣いていいって、伝えていくのも僕の仕事かな」と話していた。