満島ひかり(31)柄本佑(30)が、オリジナルミュージカル「百鬼オペラ『羅生門』」(9月8日からシアターコクーンなど)にダブル主演し舞台初共演することが5日、分かった。吉沢亮(23)も出演する。初共演となる3人が奇想天外な世界を作り出す。

 悪に手を染めても生きることを選ぶという人間のエゴイズムを描いた芥川龍之介の小説「羅生門」をベースにした作品で、さらに「藪の中」「蜘蛛の糸」「鼻」といった芥川作品の要素を取り入れた異色の構成。柄本演じる「男」が悪を選ぶ一瞬に脳内で起きた出来事を、妖怪などを交えてファンタジックに表現する。ストーリーから芥川が送った数奇な人生も浮かび上がる仕掛けにもなっている。

 柄本はミュージカル初挑戦。「どんなことが起こるのか全く予想がつかない」としながらも「ちょっとずつ両方の面白さを発見できています」と稽古を楽しんでいる。また「とにかく悩み、苦しみ、楽しめるように頑張ります」と話す。

 柄本演じる男が常に追い求める「女」を演じる満島は、今作同様、イスラエル出身の世界的演出家、インバル・ピント氏とアブシャロム・ポラック氏のコンビによる13年「100万回生きたねこ」以来のミュージカル出演。「2人が作り出す、あの温かな世界にまた行ける」と再タッグを喜びつつ、「体と心を元気にして、見てくださる方の大切なところに届くものにしたい」と意気込む。

 本格ミュージカル初挑戦の吉沢は、柄本演じる男と相対する役どころ。「演出のおふたりが作り出す、にぎやかで高揚感あふれる空間と、芥川のエゴイズムや人間の神髄をつく世界観がどのように混ざり合うのか、とても楽しみ」と話している。