今月18日、木村拓哉(44)が第70回カンヌ映画祭に訪れた。特別招待作品に選ばれた主演映画「無限の住人」(三池崇史監督)が上演されるため、招待された。レッドカーペットを歩き、作品上映を終え、拍手を浴びた。ほとんど表に出ることはなかったが、個人的に注目したのは木村の英語力だった。

 上映を終えて、背の高い外国人の中年関係者から英語で話しかけられた木村は、全く動じなかった。映画の細かいシーンの説明や、賛辞に対する感謝について、よどみない英会話で答えていた。会話が止まったり、聞き返したりすることもなかった。レッドカーペットでも、外国人スタッフと軽く会話を交わし、笑顔でコミュニケーションをとる一幕もあった。

 その後の取材会で、海外映画祭初参加となった杉咲花(19)が、「木村さんも三池監督も、信頼している方なので、リラックスできました。あと木村さんは、英語が、話せるので…」と明かすと、木村が割って入った。両手の人さし指で「バツ」を作り、「(ここは編集で)カットでお願いします」とおどけた。三池監督は「通訳代わりにしてね、こき使ってましたよ」と笑った。杉咲は「すみません。本当にレディーファーストな方で、なんでも優先してくださって、感謝しています」と頭を下げた。木村は照れ笑いしていた。

 関係者によると、木村は独学で英語を勉強したという。08年公開の仏映画「I COME WITH THE RAIN」(トラン・アン・ユン監督)では全編英語の作品に挑戦しており、実績もある。関係者は「それなりに英会話はできると思うのですが、『まだそこまで究めているわけではない』という思いや謙遜から、『カットでお願いします』と言ったんじゃないでしょうか」と推測する。

 SMAP解散後、あらためて1人の俳優として歩き出した木村にとって、「英語」も1つの武器に成り得るのかもしれない。