フジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜午前8時)のプレゼンターを務める、同局の笠井信輔アナウンサー(56)が9月いっぱいで退社、同時に同番組も降板することが30日、分かった。

笠井アナは現在夏休み中で、この日は同番組に出演していなかったが、企画コーナーで人事異動のテーマを取り上げた際に「この番組でもいなくなる人がいる」「あのうるさい人」「夏休み中だけど」などと、笠井アナの降板退社が明らかになった。

退社後は、番組の小倉智昭キャスター(72)が所属する芸能事務所オールラウンドに所属してフリーとして活動するという。小倉キャスターは「2年くらい前から、このまま行ってどうするんだ、フリーになればとか話していた。彼ならやっていけると思う。うちの事務所も、そのうち僕が終わるから、ちょうどいい」などと話した。コメンテーターを務める、社会学者の古市憲寿氏(34)は「小倉さんの代わりが務まりますかね」と疑問を口にした。

番組終了後、笠井アナは同局を通じて以下のコメントを発表した。

「32年勤めたフジテレビは明るく温かく、かけがえのない実家のような存在です。定年まであと4年、オリンピックはお台場で来年開催なのに“何故いま、出ていくの?”と皆さんから聞かれます。その答えは“もっと広い世界でしゃべりたい、書きたいから”。趣味が高じて年間約150本の新作映画と約100本の舞台を毎年、見ていますが、局アナという立場では制限もあります。自分の知識や体験を生かした仕事にさらに携わっていきたいという思いから、退社を決断いたしました。

この32年、情報番組・報道番組の生放送の仕事を中心に活動し、『とくダネ!』は今年で担当20年、映画紹介番組『男おばさん!!』は19年。局アナとしてこれほど幸せな人生はありません。視聴者の皆さんには、ほんとうに沢山の応援のお言葉と、そして、いまだ至らない部分が多いため沢山のご批判を頂いてきました。そのすべてが自分のこれまでの支えとなってきています。

フリーになるからには覚悟がなくてはいけないと思い、『とくダネ!』も卒業する決断をしました。『とくダネ!』はもはや生活の一部、日常です。関係のみなさんにはいくらお礼の言葉を言っても足りません。特に、師匠ともいえる小倉智昭さんとは離れ難く、1年以上前からこの件について相談し、会社には昨年秋、報告しました。

10月以降、まだ仕事は何も決まっていませんので不安がないかといえばうそになります。今までやれなかったバラエティーや日本各地でのお仕事、ネットも含めて何でもチャレンジしようと意気込んでいます。ここまでの決断をしたのは人生初めてのこと。清水の舞台から飛び降りてどうなるのか? これからの笠井信輔、“神のみぞ知る”です。今後とも、何とぞよろしくお願い申し上げます」

◆笠井信輔(かさい・しんすけ)1963年4月12日生まれ。東京都出身。

『タイム3』(88~93年)、『今夜は好奇心!』(90~94年)、『THEWEEK』(95~96年)の司会、『めざましテレビ』(95~97年)などを担当後、夕方のニュース番組『FNNザ・ヒューマン』(97~98年)のメインキャスターに。『ナイスデイ』(98~99年)の司会を経て、99年から『とくダネ!』、18年から『バイキング』(金曜日)に出演中。映画・演劇に造詣が深く、新聞・雑誌などでの映画評の連載の他、CSフジテレビチャンネルなどで放送中の『男おばさん!!』(00年~)は19年間続いている。