奈良県で2006年に起きた医師宅放火殺人事件の供述調書漏えい事件で、調書を引用した本の著者草薙厚子さんが「検事に取材源を話した」と誤報され社会的信用を損なったとして、NHKに慰謝料を求めた訴訟の第1回口頭弁論が20日、東京地裁(萩原秀紀裁判長)であった。草薙さんが意見陳述で「ジャーナリストとして最低な人間にされた」と批判した。
さらに「わたしの名誉回復に加え、謝罪できないNHKの体質を改めさせるため最後まで闘う」と訴えた。
NHK側は「報道は真実だ。草薙さんは、取材源に無断で調書をそのまま引用する本を執筆したことで、取材源を守ろうとしないジャーナリストだという社会的評価を自ら定着させた」と反論した。
草薙さんは昨年5月、放火と殺人の容疑で逮捕された当時16歳の長男(中等少年院送致)らの供述調書を引用した本を出版。奈良地検は同10月、草薙さんに調書の写しを見せたなどとして秘密漏示容疑で長男を鑑定した京都市内の精神科医を逮捕した。
訴状によると、NHKは07年9月22日のニュースで「事情聴取で草薙さんが『精神科医に頼み、調書の写しを見せてもらった』と話している」と報道した。(共同)




