漫画家松本零士氏から人気作品「銀河鉄道999」のせりふを歌詞に盗用したとテレビ番組で非難され、名誉を傷つけられたとして、歌手槙原敬之が2200万円の賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、盗用とは認められないとして、松本さんに220万円の賠償を命じた。

 問題になったのは、槙原が作詞作曲し、人気デュオCHEMISTRY(ケミストリー)が歌った曲「約束の場所」の「夢は時間を裏切らない

 時間も夢を決して裏切らない」という歌詞と、松本の「時間は夢を裏切らない、夢も時間を裏切ってはならない」というせりふ。

 清水節裁判長は「槙原さんがせりふを知っていたとは認められず、歌詞が似ているからといって、せりふに依拠したとは断定できない。テレビに生出演した松本さんが『盗用』と発言した内容は真実と認められず、名誉棄損に当たる」と判断した。

 槙原はこの日、法廷に姿を見せ、判決後に裁判長に対し深く一礼。報道陣の質問には答えず、代理人の弁護士が「勝ったと思っている」と話した。

 槙原は昨年2月、提訴。今年7月、双方が出廷して尋問に応じ、槙原は「せりふをまったく知らないのに泥棒扱いされ、非常に不快だ」、松本さんは「自分が先に使った言葉で、槙原さんも知っていたはずだ」と、それぞれ訴えていた。

 [2008年12月26日17時49分]ソーシャルブックマーク