「時の流れに身をまかせ」「津軽海峡・冬景色」など多くの演歌・歌謡曲のヒットを生んだ作曲家三木たかし(みき・たかし、本名渡辺匡=わたなべ・ただし)さんが11日午前、死去した。64歳。東京都出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。

 2006年に下咽頭(いんとう)がん手術を受け、療養していた。

 中学校卒業後、歌手を志したが、作曲家に転身し1967年、デビュー。明るく伸びやかなポップスから哀愁味のある演歌までこなす音楽性の幅広さで、70年代は売れっ子に。「ブーメランストリート」の西城秀樹をはじめ、アグネス・チャン、岩崎宏美らに曲を提供した。

 77年、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」が大ヒットし、評価を固めた。80年代は、作詞家荒木とよひさ氏とのコンビで、故テレサ・テンさんの「つぐない」「愛人」「時の流れに-」を作曲。「時の流れに-」がレコード大賞を受賞、テレサさんの日本での黄金期を築いた。

 近年は舞台音楽家としても活躍し、ミュージカル「李香蘭」など劇団四季の昭和3部作の音楽を担当。人気アニメ「アンパンマン」のテーマソングも手掛けた。代表曲はほかに「めだかの兄妹」「追憶」「夜桜お七」など。

 04年から日本作曲家協会理事長。05年紫綬褒章受章。歌手の黛ジュンは妹。

 [2009年5月11日12時39分]ソーシャルブックマーク