警視庁保安課は10日、今年発売された写真家篠山紀信さん(68)のヌード写真集「20XX

 TOKYO」の撮影をめぐり、公然わいせつの疑いで、東京都港区にある篠山さんの事務所や自宅、モデル(21)の所属事務所を家宅捜索した。

 家宅捜索の容疑は昨年8月中旬から下旬にかけ、写真集の撮影のため、都内の屋外で誰でも見ることができる状態でモデルの女優の裸を撮影した疑い。

 同課が写真集を見て撮影方法に問題があると判断した。局部は写っておらず、写真集自体のわいせつ性は問わないとしている。同課は今後、篠山さんらに事情を聴く方針。

 写真集は同課が特定しただけでも、お台場周辺や港区赤坂など都内の十数カ所で撮影され、夜間が中心だった。JRとみられる線路上や墓地などでの撮影もあったという。約60ページに女優2人のヌードが載った。出版社のサイトによると、1月末に発売され、定価3150円で現在は品切れとなっている。

 捜索を受けたことについて、篠山さんの事務所は「一切答えられない」とし、出版元の朝日出版社(東京)は「家宅捜索をしたという事実を篠山さんからも警察からも聞いていないのでコメントできない」としている。

 篠山さんは、広告会社勤務を経て1968年フリーに。三島由紀夫氏や山口百恵ら多くの著名人の撮影を手掛けているほか、宮沢りえらのヌード写真集でも知られている。91年に発売した女優樋口可南子のヌード写真集は、ヘアヌードの是非をめぐる論争のきっかけになった。

 [2009年11月10日13時48分]ソーシャルブックマーク